姿勢と機能
「〇〇さんって勝俣さんのパーソナル受けてるでしょ?なんで丸まった背中を治してあげないの?」
先日、ある会員様から頂いた言葉です。
丸まった背中→胸椎後弯、いわゆる円背という状態です。
厳密にははっきり「円背」というほどではなく「円背傾向」程度だと思います。
さて、そこで考えなければならないのが表題である「姿勢と機能」です。
まず機能を良くするには姿勢から、という考え方があります。
肩の機能なんてその最たるものでしょう。
胸椎後弯→肩甲骨外転位&挙上位→上腕骨頭前方突出→ローテータカフのテンションの変化、インピンジメントの促し
などは良く考えられる状態ですね。
ただし、これは今回のターゲットである胸椎の修正が効いたらの話です。
基本的に骨は変性が起きたら戻ることはないと考えられます。
もちろん戻るケースもあると思いますが、経験上私はあまり期待していません。
ではどうしているか?
その方の持つ胸椎後弯に他の機能を合わせることを考えています。
胸椎後弯の軌道に合わせた肩甲骨の動きを促してみたり、頚部の角度をなるべく自然なポジションで支持できるようにしたりです。
動かないものを無理やり動かすとその歪がどこかに現れます。
その見極めが難しいところです。
若干違う例でこのようなこともありました。
幼児期の脳性麻痺により、身体に障がいを持っていらっしゃる方です。
立ち上がりの際に右膝が必ずニーインしてしまいます。
調子の悪い日は制御が効きにくく、なかなか立ち上がれない日も。
やや苛立ちが見られている日にこのような案内をしました。
「内側に入る膝を敵と見るんじゃなくて味方。内側に入る膝を利用して立てればいいです。」
重心のかけ方等を修正し、ニーインを利用すると概ねスムーズに立つことが出来るようになりました。
膝の制動の効く日は正面から、難しい日はそれを利用して、という使い分けが今後の課題です。
まとめです。
「良い姿勢」=「良い機能」とは必ずしも結びつかないということです。
冒頭で紹介した方の話に戻ります。
その方は当然クライアントさんの目的や状態などは知りません。
ですがいわゆる「見た目」の判断であると「パーソナルの効果は出ていない」となってしまいます。
「姿勢」=「機能」にはならないケースがありますが、まだ思考錯誤し可能な限り出来る方法を探してみます。